現場力を支えるAI【Google cloud Japan】
Japan IT Weekの基調講演に招待されましたので、その中でGoogle cloud Japanが講演されました【現場を支えるAI】を取り上げます。
Googleとは
誰もが知っているGoogleですが、
そのミッションは
【世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする】
その成功の指標は
【10億以上のユーザー】
すでに、android、グーグル検索、Gメール、グーグルplay、youtube、Chrome、グーグルマップと7つものコンテンツで10億ユーザーを超えております。
この成功はモバイルファーストを中心に成しえてきたものだと言えます。
なぜAIなのか
しかしながら、CEO サンダーピチャイは次のように言っています。
【モバイルファーストからAIファーストへ】
【このことが全ての人の働き方を劇的に変えられると、私たちは信じています】
AIは手段であって、目的を持たせる必要がある。
グーグルでは【デジタルアシスタント】との位置付けでAIを以下のように提供している。
- 検索:ランキング、音声変換に
- フォト:何が写っているのか?を整理
- Gメール:自動返信(英語のみ対応)、スマートリプライ(グーグル社内では10%近くが自動化)
- カレンダー:スマートスケジュール、会議の自動調整(変更可能なメンバーや施設を提示)
- クラウドサーチ:検索しなくても必要な資料を事前に提示(会議等)
- グーグル翻訳
グーグルクラウドで利用可能な機械学習(ML)サービスは大きく分けて2種類
- カスタムMLモデルとしてのテンサーフロー、MLエンジン
- トレーニング済モデルとしてのVision API、Speech API、Jobs API、文⇒A API、Natural Language API
その中でもテンサーフローは2015年11月のリリースからGitHubでナンバーワンの人気となっております。理由としては、オープンソースとしてMLライブラリが提供されているからです。
実例
AXA自動車保険
大きな自動車事故の予測
- 事故を起こすのは加入者の7~10%
- そのうち1%は100万円以上の大きな事故
- これを事前に推測することで、保険料を算出したい
70の属性を設定して、機械学習をすることで、78%まで予測可能となる。
グローバルフィッシングウォッチ
漁業資源の乱獲防止
- 船の動きで、船の種類を判別(正規の漁船、違法漁船、運搬船など)
- 船の動きで、漁法を判別(合法漁法、違法漁法など)
船の動きを衛星データから機械学習することで、素早い違法行為に対処できるようになった
キューピー
食品の品質管理
- ベビーフードには添加物を使えないため、変色がある
- 品質に影響のない変色と品質に悪影響がある変色を区別する
画像解析では分類できず、機械学習を伴うAIに着手したことで、2ヵ月で課題をクリア。今後はこの技術を他社に提供していく予定。
ファミリーマート
店舗における発注業務の効率改善
- すべての商品で始めると混乱を招くため、主力であるおにぎりの発注に絞り込む
- 誰でも操作可能な簡易端末を店舗に設置
- それまでは需要と供給の誤差は30%もあった
機械学習導入から2週間で11.65%、それから1週間で9.68%まで発注誤差は縮小される。現在は麺類などの発注にも採用される。
最後に
経営者はすぐに「どれだけ効果があるのか」、「根拠は?」と騒ぎ立てるが、AIは人材採用と同様、どう教育するかがすべてだと言うことが理解できました。
重要なのは【アイデア】
必要なのは【やってみる】
ここまで解っていても、自社ボードメンバーの理解を引き出せる気がしない。できるだけ多くの人に理解してもらうためにも、当面はオープンソースを利用して進める必要性を今回の講演会で再認識。登壇されていたメンバーも「現場と経営層とのかい離」をどう解消するかが、AI開発やマシンラーニングよりも大きな課題だと口を揃えて言われていたことが印象として残りました。
大きな声で言いたい!
【やってみないと効果は出ない】
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